近年は環境配慮という意識が強く、プラから紙に置き換わったパッケージや、環境にやさしい素材のパッケージが浸透してきています。弊社でも環境配慮型パッケージに対するお問合せが増えてきています。 その理由は、同じ用途の商品が並んでいる場合、環境に優しいものを選びたいという消費者が増えてきているという背景があります。環境配慮型パッケージを取り入れることで、商品だけではなくパッケージを含めた全体で商品コンセプトを表現することが可能になります。SDGsの観点から、環境に配慮した包材づくりの取り組みとして開発した弊社の環境配慮型パッケージをご紹介します。環境配慮への第一歩として今後のパッケージ選びの参考にしていただければ幸いです。
目次
環境配慮型パッケージとは?
環境配慮型パッケージとは、パッケージの基本的な機能はそのままで、リデュース(減らす)、リユース(再利用する)、リサイクル(再資源化する)、リプレイス(置き換える)を考慮して作られたパッケージです。 例えば、材質はそのままで厚みを薄くすればリデュースとなり、不要になったものをそのままの形で繰り返し使用することでリユース。使用済みの容器包装を原材料や製品として再生利用することでリサイクル、素材をプラスチックから紙へ変更することは、リプレイスとなります。
なぜ環境配慮型パッケージが必要とされている?
地球温暖化、大気汚染、海洋汚染、土壌汚染、森林伐採など環境問題が深刻になってきており、SDGsや環境に配慮した製品への注目が高まっています。地球にやさしい選択をして環境配慮に取り組もうという消費者が増えている昨今、企業としての取り組みが問われています。こうした課題への取り組みとして、地球環境への負荷を抑えた「環境配慮型パッケージ」や「サステナブルパッケージ」が注目され、採用が進んでいます。環境問題が大きく注目されている現在、環境配慮型パッケージを採用することは、今や企業活動で当たり前になりつつあります。
環境配慮型パッケージを導入するメリット
企業としてのイメージ向上
商品だけでなくパッケージを含めた全体で商品コンセプトを表現することができます。環境配慮への取り組みをすることで環境に繋がる活動をアピールできます。社会に貢献すべく動いている企業は、消費者からの共感を獲得し、評価されていきます。企業の利益だけを考えるのではなく、自社が行う事業が環境に負荷を与えている場合に責任をもって対処する姿勢を見せることで、企業のイメージアップにつながるのです。
環境配慮について考えるきっかけになる
企業が自社製品のパッケージを環境に配慮したものに変えることで、その商品を扱う社員を始め、取引先、小売店舗へも環境問題への興味を促すことができます。この変化が環境について考えるきっかけを与えるのです。環境配慮が当たり前な意識となる今後の消費社会の中で、できることから始めるという意識改革は非常に重要です。
環境配慮型パッケージを選ぶポイント
環境配慮型パッケージを選ぶには大きく分けて2つのポイントがあります。
1.無駄のない製造方法を選ぶ
製造の仕方という観点から環境に配慮することができます。印刷方法としてはデジタル印刷とグラビア印刷やフレキソ印刷があります。デジタル印刷は印刷に必要な「版」が不要で、データを元に印刷することで小ロットから製造が可能になります。デジタルデータさえあれば必要なタイミングに必要な量を印刷できるので、在庫を持つ必要がありません。作りすぎて破棄することも無くなるので必要な分だけを無駄なく製造することができ、環境に優しくなるのです。
2.商品に適した材質を選ぶ
材質選びの観点から環境に配慮することができます。 環境問題を一度に全て解決するパッケージというものは残念ながら存在しません。その為、このパッケージはどういう点が環境に配慮されているのか、ということを理解した上で商品に適したパッケージを選ぶということが必要です。弊社では多様なニーズにお応えする為、環境配慮型パッケージの開発に取り組んでいます。次からは弊社で力を入れている環境配慮型パッケージのラインアップの一例をご紹介します。
プラスチック使用量を削減!紙素材のパッケージ
【紙ミニパウチ】
表面基材を従来のPETから紙に置き換えた減プラのミニパウチです。 当社比較でプラスチックを25%削減し、FSC森林認証紙の使用も可能です。
【紙スパウトパウチ】
表面基材を従来のPETから紙に置き換えて、プラスチック使用量を削減した「減プラ」のスパウトパウチです。多品種少量向けにはデジタルインクジェット印刷、大量向けにはグラビア印刷やフレキソ印刷で製造します。表面に抗菌ニス加工もできます。
【クラフトパウチ】
一般的なラミネート紙は、ヒートシール素材にPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)を用いた多層構成ですが、 本製品の場合、プラスチックを使用しない紙だけの単層構成です。化粧品・食品・日用雑貨などの二次包装として、ご使用いただけます。リサイクル識別表示マークは紙となります。
脱アルミのパッケージ
【アルミレスパウチ】
環境・納期・コストにやさしい、アルミ箔の調達難に適した包装材です。アルミレスのミニパウチ・スパウトパウチは、 内容物の目減りが懸念される・光を嫌う化粧品、ヘアケア製品、トイレタリー製品に最適です。ハイバリアVMPETを使用しており、 バイオマスマークの表記が可能です。
【モノマテリアルパウチ】
ブリスターパック・クリアケースに替わる高透明・コシの強さ・自立性を備えたサステナブル包装材です。 デジタル印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷に対応可能です。単一素材(モノマテリアル)にすることにより、 リサイクル可能なパウチを目指しています。
【リサイクルパウチ】
リサイクルPETを使用したミニパウチです。一般的なPETフィルムを製造した際に出るCO₂よりも、22%のCO₂を削減したリサイクルPETを用いており、PETボトルリサイクル推奨マークの表示が可能です。
植物由来のパッケージ
【バイオマスパウチ】
バイオマスPETを使用したミニパウチです。 12%のCO₂を削減したバイオマスPETを用いており、バイオマスマークの表示が可能です。
まとめ
パッケージがもたらす影響は、地球規模から見ると一部に過ぎません。身近なゴミ問題への対応からCO₂排出削減など取り組むべき課題もさまざまです。生活に密着したパッケージだからこそ環境配慮視点でできることがあるのではないでしょうか。環境保全活動は、コストがかかったり、直接的に利益を得ることが難しかったりと、敬遠する企業も多いかもしれません。一つ一つの取り組みは小さくても、できることからまず第一歩取り入れてみる、パッケージを変えるだけで社会貢献となり、企業価値が高まります。今後、環境配慮への意識はさらに浸透していくと言えます。環境配慮型パッケージを取り入れることで、取り組みに共感し、企業の商品を利用したいと思う人が増え、商品やサービスを紹介するだけでは難しい競合他社との差別化を図ることができます。企業の評価が上がることで、結果的に企業の利益もアップするという効果があるのです。
関連商品
記事を作成・監修したマイスター
吉田 潤一
福島印刷工業株式会社
マーケティング部 開発室長
資格:包装専士
1986年よりパッケージ印刷業界に従事しております。長年培ってきたパッケージ印刷に関する知識を活かし、当社の加工技術や製品情報をご紹介します。
趣味 は フォークソング、オヤジバンドでライブ活動をすること。